GWは技術練習 無臭補修の練習
臭いの少ない補修を目指して
皆様こんにちは。
ゴールデンウイークの10連休もあっという間に最終日になりましたね。連休の前半はお仕事でしたが、後半は4連休をいただきました。
ですが最終日の今日は予定がないので自宅で補修の練習をしながら記事を書いています。
補修のことを全く知らないお客様のお宅にお邪魔させていただきキズを補修するのが私の仕事ですが、実は補修用の資材は結構臭いを発生させる資材が多く、作業を始めるとお客様にビックリされることが度々ありました。
キズや凹みに対してはハードワックスという樹脂ワックスを四角く固めたものを熱コテで溶かし、樹脂ワックス同士を混色したりして色を作っていきます。
上の画像の資材がハードワックスになります。元から近い色のハードワックスがあればそれを使いますがこのところなかなか無かったので原色の減りが凄く速かったです。このハードワックスにはほとんど臭いはありません。ですが画像のひとつに色番号を記したシールで違うシールのハードワックスがあります。いつも買っている材料屋さんとは別の材料屋さんで購入した少し安いハードワックスでしたが、溶かした時の臭いがきつく私には使いにくい商品でした。
そうしてハードワックスで埋めた個所は単一の色でのっぺりとします。ですので、専用の顔料で着色していきます。
これは専用の溶解液を使うことで溶かすことができ、色を混ぜて木目を再現していくものです。その溶解液が速乾性でシンナーのようなにおいを発生させます。
こうして木目を描いていくのですが、それだけでは紫外線や物理的接触に弱く剥がれたり色あせたりします。そこで保護の目的と、補修箇所の艶と元の素材の艶を合わせる目的で行う作業がラッカースプレーによる保護作業です。
その名の通りラッカーのスプレーですのでこれまたシンナーの臭いが発生します。
新築現場のように人が住む前であればいくら臭いが出ても自分が我慢すればいいのですが、お客様が住んでおられるお宅ではなかなかそうはいきません。ですので私はこのところ無臭補修に力を入れています。無臭補修というのはその名の通り臭いがない、もしくは最低限の臭いしか発生させずに補修作業を行うということになります。
無臭補修 補修作業から臭いを追い出す
これまでの補修作業では発生する臭いといものは当たり前のことでした。ですが、ニーズが多様化する現在において従来のままの手法ではお客様の要望に応えきれていないということになります。仕事をするうえで私が最も大切にしているミッションがお客様のお宅の美観の保持、資材や環境への配慮です。もちろんお金をいただくことは前提以前の話で条件になりますが、そのお金をもとにより良い事業を行っていくことを信念としております。
ですのでお客様にとってより良い作業をと考えた時に無臭補修の考えに行きつきました。実は日本人は手先が器用なので補修作業は諸外国と方たちより得意だと思っています。ですが補修自体の歴史が浅く専用の資材がまだまだ少ないのが現状です。私が買っている資材屋さんでは外国のメーカーと提携して商品を仕入れるということをしているようです。ですので仕入れ価格もどうしても高くなってしまいそれに伴い工事金額も上がってしまうということが起こっています。
では先ほどの補修資材の代替品で臭いが出ないもしくは少ないものは何になるでしょうか。最初に紹介しましたハードワックスこちらはほぼ無臭です。溶かしても嫌なにおいがしません(一部嫌な臭いが発生する商品もある)
ハードワックスによる穴埋め充填作業のあとの木目描き作業ですがこちらは先ほどの溶解液で溶かす顔料とは違い、油性の色鉛筆で木目を描きます。
上の画像のような油性の色鉛筆やマーカーといったもので木目を描きます。溶解液で溶かす顔料のように調色ができないため似た色での補修になる点がデメリットといえるでしょう。ですが色鉛筆ですので発生する臭いはゼロですので大きなメリットになるでしょう。
こうしてハードワックスによる充填と色鉛筆による木目描きを行った後に補修箇所の保護を行いますが先ほど紹介したラッカースプレーでは大変な臭いが発生してしまいますので、こちらは水性の艶調整材で最終保護を行います。水性ですので、シンナーのような臭いは発生しませんが、ほんの少し水性塗料の臭いがします。補修後に気になるレベルの臭いではないと思っておりますし、保護効果も固まってしまえば油性同様の効果が得られます。
こうした資材でお客様のお宅にて作業をさせていただくために日々精進しておりますのでどうぞよろしくお願い致します。