塗装下地パテとは?壁や天井をフラットに見せる工法

パテとは何か?

こんにちは。塗巧です。

みなさんはパテと聞いてどうなものか想像がつきますか?DIYをしている方ではない方はほとんどピンとこないものだと思います。簡単に言うとパテとは不陸を調整するものです。不陸とは、施工面にあるデコボコのことです。穴やビスや釘の出っ張りなどあらゆるデコボコを不陸といいます。そのデコボコの凸部分を叩くなどして凹ませます。そのうえでパテを盛り、平坦に見せるものです。

黒く細い線が天井ボードのつなぎ目です。そこにヒビが入ってしまったので改めてパテ埋めします。

パテの種類

一口にパテと言っても相当な種類のパテが存在します。私たち建築塗装業界で使用するパテの代表は石膏系のパテで、パテの粉と水を一定の割合で混ぜてペースト状にしてヘラで塗りつけるものです。その石膏系パテでさえ多くの種類が存在します。

私がよく使用するものは主に3種類です。

下地パテ一回目に不陸に盛り付けるパテです。粒子が荒く、凹みが埋まりやすく、固まった後もヤセにくいパテ

上記の下地パテは下地パテの中でも粒子が特に細かく、仕上げパテとしも使えてしまうほどシルキーなパテで私のお気に入りです。

仕上げパテ:下地パテの不陸(下地パテの不陸とは、粒子の粗さを指す)を調整し、パテ表面を整えるもの

この仕上げパテは、最初から練られてあるタイプで、軽量タイプです。持っていても腕の負担を軽減できます。私が特に気に入っている点は、乾燥後の削りやすさです。仕上げパテはその不陸を調整するために乾燥後サンドペーパーで削って平らにします。その削りやすさがダントツにいいです。その分削り粉はでますが、削りやすい方がストレスは少ないと私は感じています。

上下兼用タイプ:もう一つは、下地パテと仕上げパテを同じパテで行う上下兼用のタイプです。

こちらは、ナショペン工業というパテの会社で製品で、あらかじめ練られているタイプです。パテの中に繊維が入っていて、ボードに持った時に繊維同士が絡まり、パテの強度をより高めることができるという優れものです。

次の項目で実際の画像を使って説明します。

ナショペン工業HP・・製品紹介

パテは割れるもの

塗装下地の石膏ボードに使用し、不陸を調整するパテですが、必ずとっていい程割れます。その理由は建物が揺れるからにほかなりません。風や地震、車の振動による揺れの他、木造なら構造に使用している木材の湿度の変化などの影響も受けます。そういった物理的な揺れを数ミリの石膏が止められるはずがありません。それでも必死になんとかヒビが入らないように日々研究しています。このところ私が使用しているのが上記で紹介した上下兼用パテです。繊維が絡まって割れにくいとい謳い文句のようです。

ヒビが入っていることが確認できるでしょうか。ヒビの上に貼ってあるものはメッシュテープといって、ガラス繊維を網状にしたもので引張強度をだし、割れにくくするものです。塗装下地のパテをする前にはボードのつなぎ目には必ず貼るものです。

メッシュテープをボードのつなぎ目全体に貼ったところです。

下地パテをしたところです。

仕上パテをしました。下地パテよりも広くパテを盛り、なるべくパテを目立ちにくく施工します。少しムラっぽく黒ずんで見えるのが繊維です。その繊維が絡まって強度が出ます。

乾燥したらサンドペーパーでパテ全体を研磨し、細かな凹凸を平らに調整します。

結論

ここまでしても建物の揺れや木材の収縮には石膏では歯が立たないとおもいます。今回は塗装の下地としてのパテを取り上げましたが、壁紙を貼るにしてもパテはします。壁紙の場合でも同様に壁紙のヒビ割れやねじれは必ず生じます。

住宅の内装には必ず必要な仕上げの工程ですので、塗装か壁紙かどちらかを選択するとおもいますが、どちらにしても割れるということは是非覚えていただいて欲しいと思います。